シャインマスカットは皮ごと食べられるぶどうとして知られていますが、実際に食べてみて「皮が口に残る」「思ったより硬い」と感じることもあります。結論から言うと、皮が気になるなら、無理に皮ごと食べる必要はありません。皮をむいて、果肉を食べやすい形にしてから楽しめば大丈夫です。
この記事では、熱を使わずに生のままむく方法と、湯むきの二つを、食べる量や準備の手間で選べるように整理します。あわせて、むいた果肉をそのまま、ヨーグルト、チーズと生ハムの前菜で楽しむ方法も紹介します。
皮ごと食べられることと、好みの食感は別
農研機構は、シャインマスカットを、ヨーロッパブドウの香りや食感と、皮ごと食べられる性質を備えた品種として紹介しています。ただ、品種として皮ごと食べられることと、手元の一粒の食感が自分の好みに合うことは、別の話です。
大分県の研究資料でも、皮ごと食べられる点がセールスポイントである一方で、中には皮が硬い果実もあることが課題として挙げられています。品種の特徴だけでは、一粒ごとの食感までは決まりません。
皮が硬い原因を、見た目だけで断定することはできません。まずは食べ方を変えることで、手元の一房を無理なく楽しめます。
生のままか湯むきか、量と準備で選ぶ
選ぶ基準は三つ。熱を加えたくないか、道具を用意できるか、何粒むくかです。
生のままむく方法は、爪楊枝が一本あれば始められます。鍋や氷水の準備がいらず、果肉に熱を加えないので、数粒だけ食べたいときや、冷たいまま味わいたいときに向いています。そのかわり、一粒ずつ切れ目を入れてむくため、粒の数が増えるほど手間も増えます。
湯むきは、湯を沸かす鍋、粒を入れるザル、冷やすための氷水を用意します。準備には手間がかかりますが、ザルに入れた粒をまとめて湯に通せるので、ヨーグルトや前菜に使う分など、ある程度の数をそろえたいときに検討しやすい方法です。熱湯を扱うことと、短い時間でも果肉に熱が加わることは、前提として知っておきましょう。
| 生のままむく | 湯むき | |
|---|---|---|
| 熱 | 加えない | 短時間加える |
| 道具 | 爪楊枝 | 鍋・ザル・氷水 |
| 向く場面 | 少量をすぐ食べたい | 複数の粒をそろえたい |
この表は、どちらが速いか、どちらがおいしいかを比べたものではありません。量と準備のしやすさを目安に選んでください。
生のままむく手順と、うまくいかないときの対処
ここでは、rassicの記事で紹介されている「つまようじを使って剥く」方法に沿って、手順を説明します。
1.食べる分だけ房から外して洗う
食べる分だけを房から外し、水で洗って水気をふき取ります。保存する粒は無理に房から外さず、枝を少し残してキッチンばさみで切り分け、皮付きのまま保管します。
2.房に付いていた側の穴から、皮と果肉の間に爪楊枝を入れる
房から外した粒には、軸が付いていた小さな穴があります。そこから爪楊枝の先を、皮と果肉のすき間に沿わせるように差し込みます。果肉の奥へ突き刺すのではなく、皮のすぐ内側をなぞるイメージです。
3.反対側の端まで、皮に切れ目を入れる
爪楊枝を皮の内側に沿わせたまま、粒の反対側の端に向かって動かし、縦方向に一本の切れ目を入れます。
4.切れ目から指で皮を引っ張ってむく
切れ目の部分を指でつまみ、皮を果肉から引きはがすようにむきます。rassicの記事では、この方法できれいにむけると紹介され、おすすめの方法の一つに挙げられています。
うまくいかないときは
皮が途中で切れてしまったら、残った皮の端を指でつまみ、そこから少しずつはがしていきます。一枚できれいにむけなくても、果肉を味わううえで困ることはありません。
爪楊枝が果肉に入り込んでしまうときは、差し込む角度を浅くして、皮の内側に沿わせることを意識してください。切れ目を入れる位置は、あくまで皮です。果肉を削らないように動かすと、むいたあとの形も保ちやすくなります。
爪楊枝を使うときは先端で手を傷つけないよう注意し、切れ目が入ったら指でゆっくり皮を外してください。
湯むきは、冷やす工程まで用意する
湯むきは、短時間だけ湯に通してから冷やし、皮をむく方法です。ここでは、クラシルの「シャインマスカットのむき方」に掲載されている湯むきの手順に沿って説明します。準備するものは、お湯を沸かした鍋、粒を入れるザル、氷水を入れたボウルです。
1. 食べる分の粒を房から外し、ザルに入れます。
2. お湯を沸かした鍋に、ザルごと粒を入れ、中火で30秒ほど浸けます。
3. ザルを取り出したら、粒を氷水に浸けます。
4. 粗熱が取れたら、皮を手でむきます。
30秒は掲載されている目安です。粒の大きさや状態によって、皮のむけ方が変わる可能性もあります。
冷やす工程を省かない理由
クラシルでは、湯に長く浸けすぎると果肉に火が通ってしまうと注意しています。また、氷水を使うと皮が剥がれやすくなり、果肉に火が通りにくくなるとも説明しています。皮がむけにくいからといって、湯に浸ける時間を延ばせばよいわけではありません。湯から上げたらすぐ冷やす、という流れまでを一つの手順として準備しておきましょう。氷水がない場合は、流水や水でも湯むきできると書かれています。
熱湯を扱うときの注意
鍋の湯がはねないよう、ザルはゆっくり沈め、取り出すときも湯気や水滴に気をつけてください。湯むき後の粒は熱が残っていないことを確かめてから扱いましょう。

むいた果肉を、おやつと前菜で楽しむ
皮を外した果肉は、そのまま食べるだけでなく、甘いおやつにも、塩気のある前菜にも使えます。ここで紹介する三つの食べ方は、編集部からの提案です。
まずは、そのまま
最初の一粒は何も合わせず、果肉だけを味わってみてください。皮を外すと、香りや果汁の印象がどう変わるか、自分の舌で確かめられます。
プレーンヨーグルトに合わせる
むいた果肉を一口大に切り、プレーンヨーグルトにのせます。ヨーグルトの酸味と、果肉の甘さを一緒に味わえる組み合わせです。最初は何も加えずに食べてみて、甘さが足りないと感じたときだけ、はちみつなどを足すと、果肉の味を隠しにくくなります。器ひとつで用意できるので、朝食や食後のデザートにも取り入れやすい食べ方です。グラノーラなど食感の違うものを加えるのも一案ですが、まずは果肉とヨーグルトだけで、組み合わせの味を確かめてみてください。
チーズと生ハムで前菜に
果物の甘さと塩気の組み合わせが好きな人には、前菜がおすすめです。ABCクッキングスタジオの「マスカットと生ハムのサラダ」では、マスカット、生ハム、モッツァレラチーズを組み合わせています。ここでは、その組み合わせを、皮をむいたシャインマスカットで楽しむ形を提案します。
流れはシンプルです。むいた果肉を縦半分など食べやすい大きさに切り、モッツァレラチーズを手でちぎって添え、生ハムを少量ずつのせます。モッツァレラは手でちぎっても、食べやすい大きさに切ってもかまいません。果肉とチーズ、生ハムを一緒に口に入れると、果肉の甘さに、チーズのまろやかさと生ハムの塩気が重なります。
生ハムは少量から添え、果肉の甘さと塩気の釣り合いを好みに合わせて調整してください。食卓の前菜としても使える組み合わせです。
三つの食べ方の違い
そのままは準備が最も少なく、果肉の味をまっすぐ楽しめます。ヨーグルトは酸味が加わり、朝や食後に向きます。前菜は塩気が加わり、食事の一皿になります。同じ果肉でも、合わせるものによって役割が変わるのが、むいて楽しむ面白さです。
食べる分だけ準備する
皮をむくのは、食べる分だけにしましょう。ピエトロの記事では、保存前に皮をむくと風味や甘みが損なわれ、酸化も進んで急速に傷んでしまうため、皮はむかずに保存するよう説明しています。前菜やヨーグルトに使う場合も、盛り付けは食べる直前にすると安心です。使う直前に必要な数だけむけば、余分に皮を外して保存する必要もありません。
残りの粒は皮付きのまま保存し、食べるときにその都度むきましょう。同じ記事では、房から実を外すときは手でちぎらず、キッチンばさみで枝を少し残して切る方法も紹介されています。
なお、届いたときからにおいや見た目に傷みが疑われる粒は、むいたりアレンジしたりして食べようとせず、食べるのを控えてください。
まとめ
シャインマスカットは皮ごと食べられる品種ですが、皮が口に残るなら、むいて楽しむ選択肢があります。少量なら爪楊枝で生のまま、数をそろえたいなら湯むきで。むいた果肉は、そのまま、ヨーグルト、チーズと生ハムの前菜と、場面に合わせて使い分けてみてください。もちろん、皮ごと食べておいしいと感じる粒は、そのまま皮ごと楽しんでもかまいません。
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